こんにちは!ジャズを習い始めたばかりの人が、一度は「え、それ何のこと?」と思う専門用語を、やさしく・分かりやすく・具体例付きで解説します。
ジャズバーやセッション会場では、ミュージシャン同士が独特の言葉でやり取りをすることが多く、初心者の方は戸惑いがちです。
そこで今回は、ジャズを始めた人が必ずぶつかる用語をまとめて、解説します。
セッションデビュー前に読んでおくだけで、会話の理解度がグンと上がりますよ!
【ジャズセッションのルール】ジャズピアノ初心者が怖がらずに参加できる方法を徹底解説
- ◆スケール(Scale)
- ◆モード(旋法)
- ◆コンピング・バッキング・伴奏
- ◆ダイアトニックコード
- ◆ノンダイアトニックコード
- ◆トライトーン(増4度/減5度)
- ◆ドミナントモーション
- ◆5度円(サークル・オブ・フィフス)
- ◆テンションノート・テンション
- ◆トニック
- ◆サブドミナントマイナー
- ◆ドミナント属7(ドミナントセブンス)
- ◆モーダルインターチェンジ
- ◆代理コード
- ◆アッパーストラクチャートライアド
- ◆ドッペルドミナント(ダブルドミナント)
- ◆ペンタトニック
- ◆クリシェ(Cliché)
- ◆ターンバック(Turnback)
- ◆ビバップ(Bebop)
- ◆リズムチェンジ(循環コード)
- ◆逆循環コード
- ◆曲の頭(Top)
- ◆テーマ
- ◆ソロ(アドリブ)
- ◆4バース
- ◆コードネーム(Chord Name)
- ◆まとめ:初心者がまず覚えるべき順番
- 最後に
◆スケール(Scale)
スケールとは、日本語で「音階」。
“使ってよい音の集合” のようなイメージです。
例:Cメジャースケール
C・D・E・F・G・A・B
ジャズのアドリブがなかなかできない場合は、スケールを覚えてみるのも手です。
【スケールまとめ】ジャズでよく使うスケールの種類を知ってアドリブをさらに楽しもう!
◆モード(旋法)
モードは、メジャースケールやマイナースケールのような、音の並び方の一種。「スケールを別の視点で見たもの」または「スケールの使い方のニュアンス」のこと。
特定のコード進行に縛られず、あらかじめ決められたモードと呼ばれるスケールを基準にして即興演奏する手法。
例:ドリアン、ミクソリディアン、リディアンなど。
ジャズバーでの会話
「ここの Am7 はドリアンでいけるよ」
→ Am7 のアドリブは A ドリアン(Gメジャースケールと構成音が同じ)を使う、という意味。
◆コンピング・バッキング・伴奏
伴奏全般のことを「コンピング(Comping)」と呼び、バックで支える意味で「バッキング」とも言います。
ピアノやギターが、ボーカルやソロの邪魔をせず、雰囲気を作るプレイを指します。
【ジャズピアノのコンピング(バッキング)】初心者は一番最初に習得すべし!
セッションでよく聞く言葉
「もうちょい薄くコンピングして」
「ここはバッキングいらないよ」
◆ダイアトニックコード
“そのキーのスケールから自然にできるコード” のこと。
例:Cメジャーのダイアトニックコード
C△7 / Dm7 / Em7 / F△7 / G7 / Am7 / Bm7(♭5)
使う音が全て Cメジャースケールに含まれています。
【ダイアトニックコードって何?】ジャズピアノ初心者でも理解すればアドリブやコンピングに生かせる
◆ノンダイアトニックコード
そのキーのスケールに含まれないコード。
突然“外から”出てくる感じ。部分転調ともとらえられる。
例:Cメジャーの曲なのにD7、A7、 Fmが出てくる → ノンダイアトニック。
ジャズでは頻繁に使われます。
【借用和音】ジャズピアノ初心者こそコード分析して部分転調に気が付こう!
◆トライトーン(増4度/減5度)
「三全音」とも言われ、すごく不安定で緊張感のある音程。
例:C7 の中の
E(3rd)と B♭(♭7)
これがトライトーンです。
この不安定さが強力な「ドミナントモーション」を生み出します。
◆ドミナントモーション
V7 → I に解決する進行のこと。
音楽で最も強い“帰ってきた感”を作ります。
例:G7 → C
トライトーンが I に行きたがる性質を利用しています。
◆5度円(サークル・オブ・フィフス)
5度ずつ並べた円。
コード進行の流れを理解する最強ツール。
ほぼ全てのジャズ曲の進行はこの円で説明できます。

◆テンションノート・テンション
基本的なコードの構成音ルート、3度、5度、7度に加えて、9度、11度、13度などを意図的に追加して複雑で豊かな響きを与えます。
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ジャズマンの会話
「この G7、♭9 入れてもいい?」
→ テンション音として♭9を使うかの相談。
◆トニック
「安定・落ち着く場所」。
Key=C の場合、C(C△7)がトニック。ダイアトニックスケールの最初の音。
◆サブドミナントマイナー
サブドミナント(IV)を“マイナー化”したコード。
急に切なくなる魔法のコードです。
例:F△7(IV) → Fm7(iv)
ビートルズでもジャズでも多用されます。
◆ドミナント属7(ドミナントセブンス)
V7 のこと。
最も有名なのは G7(Key=C のV7)。
「属7」は導音である長7度音が入っておりこれが半音上のトニック音に戻りたくなる性質があるため、ドミナントセブンスコードはドミナントよりも強烈なドミナントモーションを起こしたくなります。
◆モーダルインターチェンジ
“同名調の別モードからコードを借りてくる”テクニック。
例:C△7 の曲にFm7やDm7♭5、 B♭7 が出てきます。
ポップスでも頻出。
【借用和音】ジャズピアノ初心者こそコード分析して部分転調に気が付こう!
◆代理コード
元のコードと同じ機能や役割をもつ異なるコード。主に構成音が似ている、または重要な音を共有していることから、元のコードの代わりに使わる。これにより、コード進行に変化をつけたり、サウンドを豊かにしたりすることができます。
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◆アッパーストラクチャートライアド
テンションをまとめて“別の三和音”として扱う方法。
例:G7 の上に A△(A,C♯,E)を乗せる
→ G7(9,#11,13)
簡単にテンションを押さえられるメリットがある。ソロのアイデアにも使われる。
◆ドッペルドミナント(ダブルドミナント)
「ドミナントのドミナント」。
例:C メジャーだとG7がドミナント。G7の5度上の音D7がドッペルドミナントとなる。
D7 → G7 → C
D7 がドッペルドミナント。
◆ペンタトニック
5音スケール。
シンプルで使いやすく、アドリブ初心者の味方。
例:Cメジャーペンタ
C・D・E・G・A
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◆クリシェ(Cliché)
「固定の動き・型」のこと。
特に ベースラインや内声が半音で動く進行 を指すことが多い。
例:Am → Am△(maj7) → Am7 → Am6
映画のような雰囲気が出ます。
◆ターンバック(Turnback)
曲の頭に戻るための進行のこと。
例:F△7 → G7 → Em7 → A7 →(曲頭の Dm7 へ)
セッションでよく言われる
「ここターンバック入れる?」
というのは“ぐるっと頭に戻る準備しよ!”の意味。
◆ビバップ(Bebop)
1940年代に生まれた速くて複雑なジャズスタイル。
チャーリー・パーカー、ディジー・ガレスピーが代表。ジャズの要素がぎゅっとつまっているので、

アドリブがなかなかできないときはビバップの曲を練習するのがおすすめ!テーマを演奏するだけでも難しいのでかなり上達するはず!
特徴
・テンション多め
・速いコードチェンジ
・ビバップスケール
・高度なアドリブ
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◆リズムチェンジ(循環コード)
「I–VI–II–V」の循環コードを使った曲のこと。
ガーシュインの “I Got Rhythm” が元。
例:C△7 → A7 → Dm7 → G7(循環)
ジャズセッションで最もよく使う形式の一つ。
循環の曲やリズムチェンジって何?練習方法やアドリブする方法を解説!
◆逆循環コード
◆曲の頭(Top)
セッションで必ず出てくる言葉。
「曲の最初に戻る」という意味。
会話例
ソロ回し終わったら“頭”ね!
→ テーマ(メロディ)に戻る合図。
◆テーマ
楽曲の基本的な旋律(メロディ)のこと。楽曲全体の骨組みとなり、演奏の基盤となる部分を指し、多くの場合、演奏の最初に演奏され、ソロ(アドリブ)の後に再び演奏されます。
◆ソロ(アドリブ)
ジャズの「ソロ」とは、アンサンブルの中で特定の楽器が一人で自由に即興演奏すること。これは「独奏」や「即興演奏(アドリブ)」とも呼ばれ、曲のメロディや構成に沿って、その場で新しいフレーズを創造する演奏技術
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◆4バース
アドリブソロの演奏者が4小節(バース)ごとにドラムと短いソロを掛け合うこと。この手法は「トレード 4s」とも呼ばれ、セッションでよく行われる即興の応酬です。4小節の4バース以外にも8小節や2小節ごとに掛け合うこともあります。演奏中に決まることが多いです。
【ジャズセッションのルール】ジャズピアノ初心者が怖がらずに参加できる方法を徹底解説
◆コードネーム(Chord Name)
コードの正式な名前。
例:
C△7、Dm7、G7(♭9)、E♭△7(#11)
コードネームが読めるようになると、ジャズの仕組みが一気に理解しやすくなります。
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◆まとめ:初心者がまず覚えるべき順番
① スケール
② ダイアトニックコード
③ ドミナントモーション
④ 5度圏
⑤ テンション
⑥ モード
⑦ ノンダイアトニック
⑧ モーダルインターチェンジ
この順に覚えると、自然とすべての用語がつながって理解できます。
最後に
ジャズの用語は最初こそ難しく聞こえますが、ひとつひとつはシンプルな仕組みの積み重ねです。
セッションで聞き慣れない単語が出てきても、この記事を読み返すだけで理解できるようになります。最後までごらんいただきありがとうございました。


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