こんにちは! ジャズ部部長のチーコです
ジャズ部では
- ジャズピアノをはじめようと思っている方
- ジャズピアノでセッションに参加したい方
- ジャズピアノをもっと楽しみたい方
に分かりやすくセッションで楽しめるようになるまでの練習方法などを紹介しています
今回のテーマはスウィングジャズピアノのコンピング。ほんとに難しい。初心者の内はコードの1度と5度を覚えたら、ひたすらコンピングの練習をするべきだと8年経って実感できます。
ちーこも勉強の身でコンピングについて語れる人間ではないのですが、数年セッションに参加してみて感じたジャズピアノスウィングのコンピングについて初心者ができることをまとめてみました
・ジャズピアノのコンピングを入れる場所
・コンピングの練習方法
結論
スウィングのジャズピアノのコンピングとは相手のメロディーに反応して適切な位置に適切なコードや音を弾くこと!
練習方法としては
2と4の裏拍にコード入れる練習をして、できるようになったらメロディーに答えるように表拍や1拍3拍の裏にそのキーのダイアトニックのコード上の音を入れるなど自由にする
このテーマやアドリブのメロディーに答えるように自由にするってところが初心者にはかなり難しい
セッションに参加するにはまずは、リズムが狂うことなく2と4の裏拍にコードが入れれるようになることを目指してみよう
レッドガーランドのコンピングが2拍目と4拍目の裏に入っているスタイルなので真似ると裏に入る感覚がつかめる
そしていろんな曲のコンピングを聴いてどんな音をどんな位置やリズムで演奏しているのか研究すること
スウィングのリズムの基本型?は譜面にするとこんな感じ。
メトロノームを鳴らして2と4拍目の裏に1音でもいいのでならして感覚をつかんでみる
実はコンピングはアドリブソロができるよりとても大切なこと
ジャズセッションに参加するのにどうしてもアドリブができることが重要な気がしますよね
ちーこもそうでした。しかしいつまで経っても上達しない理由はリズムやコンピングについての勉強不足のせいだと8年目にして痛感しています
初心者の時に自分でアドリブできたら嬉しいんですけど、アドリブを披露するだけだとカラオケ状態ですからね
だんだんとジャズセッションが楽しくない。となります
ジャズピアノのコンピングは音楽に広がりを与える
音楽の土台はリズムとハーモニー。ジャズのアンサンブルでベーシストとドラマーがいればリズムとハーモニーは出ているので、ピアニストがやることはハーモニーやリズムを足して音楽に広がりを与えること
適切な位置に適切なコードや音を弾くことがジャズピアノのコンピングです
特にコンピングはドラマーとピアニストの大切な仕事。適切な裏拍にきちんと入っていないとかっこいい演奏にならないんです
もしこれからジャズピアノを始めるならまずはリズムについて意識してみてくださいね
ジャズピアノのコンピングどこに入れるのが正解なのか!
名演奏を聴いても表や裏など他の演奏者に合わせてコンピングしているのでどこにどう入れていいのかさっぱりわかりませんよね
正解ってのは難しいのですがスウィングの曲でのセッション中2拍目と4拍目の裏に入れなさいとよく言われました
基本的には2拍目と4拍目の裏に入れる
名演奏を聴いたら1拍目や3拍目の裏や表にもコンピングの音がジャンジャン音が入っていますが基本的には2拍目と4拍目の裏に入れること
2拍目と4拍目の裏に入れることができるようになってからテーマやアドリブに合わせていろいろな場所に入れる練習をするのが一番身に付きやすいのかなと思います
表や裏拍が分からない人はこちらの記事をチェックしてみてくださいね
コンピングではどんな音を弾くのか
コンピングではコンピングするタイミングと気をつけたいのは音使い。
コードがタイミングよく弾けるようになったら研究
まずは基本的なコードが2拍目と4拍目の裏で鳴らす練習をしてできるようになったら、音遣いを研究してみましょう
両手でできるだけ同じ音を弾かないように左手でも右手でもいいので片手でコードを押さえてコンピングします(強調したいときは同じ音を弾く場合もあります)
そしてピアノの真ん中のあたりの位置で弾くこと。
レフトハンドボイシング
ジャズピアノで押さえておきたいのがレフトハンドボイシング。テンションノートが入るのでコードだけ抑えるよりもジャズっぽい響きになります
ただしコードが押さえられるようになってからの方が習得しやすいかもです
書かれていないコード以外の音も弾く
ジャズピアノのコンピングとはコードを弾くってイメージですが、コード譜に書かれていないコードや音も弾きます
名演奏を聴くと書かれているコード以外の音がたくさんでてきます
ダイアトニック上のコードを入れる
例えばバイバイブラックバードって曲だとFコードが5小節くらい続いているコード譜もあります。初心者でもさすがにFコードばっかりは。ってなりますよね。その時はFメジャーキーのダイアトニック上のコードをいれます
Fメジャーのダイアトニック上の音はGm7 Am7 B♭M7 C7 Dm7 Em7♭5 です
テーマやアドリブメロディーに合わせて答えるようなリズムや位置で上記のコードを入れます
ダイアトニックコードとは?ダイアトニックコードメジャーとマイナー
コンピングもメロディー!歌うように弾く
テーマやアドリブのメロディーに答えるように隙間をみつけてメロディーを弾きます
メロディーの下にはコードがくっついているようなイメージです
このあたりは名演奏を聴いてコピーしまくるしか習得方法はないような気がします
テーマやドリブソロのコンピング
管楽器がテーマを演奏して、アドリブを管楽器、ピアノ、ベースの順番に行うことが多いです
テーマやソロをサポートするようにピアニストはコンピングをします。
実はコンピングをやめてみるのが正解だったりする
ピアノのコンピングって初心者のうちはほんとに演奏の邪魔になるってことが多いんです
初心者はコードを追っていないとロストしそうになるし、とにかくついていくのに必死なのでタイミングよくコードを押さえるなんてできません
余裕がなくてベースやドラムの音が聞こえていない場合はコンピングをやめてじっと適切な場所を探してみる勇気を持つことが大切です
ちーこも自分の演奏した録音を聴いてみると、他の人のアドリブやテーマをおもいっきし邪魔していてがっかりしました!自分を知るためにも録音大事
全てのコードを弾かない管楽器のテーマとアドリブ
管楽器がテーマとアドリブをするときに、コンピングをするっていうのがセッション中一番多いと思います。
サックスが2人、トランペット、ギタリストがいてそれぞれのアドリブ中ずっとコンピングをするってことも結構あります
基本的にテーマやアドリブを聴いて、音が鳴っていないところやフレーズの裏拍やフレーズが終わるタイミングを狙ってコードを弾いてコンピングするイメージをもつとうまくいくような気がします
ドラマーとベーシストがいる場合は、リズムやハーモニーはすでに出ているので、ピアノがやることはさらに音楽に広がりを与えること。なのですべてのコードを弾かずに適切な位置に適切な音を選んでコンピングすることが重要なのです
ことばでは言えますが実践するのが難しく、ちーこはいつもコードを弾き過ぎて注意されています
ギタリストがいる時のコンピング
セッション中にギタリストがいて、一緒にコンピングするってことも多いです
上手なギタリストの前にすると、ピアノはいらないのではないかと引け目を感じて何もできないことが多いのですが、勇気をもってコンピングしてみましょう(自分に言い聞かせています笑)
音数を減らしボリュームもすこし落として、音が重ならない微妙な隙間を見つけて、コンピングしてみます
ギターはピアノよりも音が少し小さいので、ギタリストのアドリブ時のコンピングはやや音量をおさえます
自分のアドリブの時のコンピング
アドリブが自分の番になったら左手で2拍目と4拍目の裏にコードを入れることを意識して、3連符を感じながら右手でアドリブをします
左手を弾くことで右手のリズムが狂うなら、コンピングをやめて右手だけでアドリブします
右手だけでアドリブしている名演奏も多いです。右手だけメインで弾いてたまに左手を足してみるって練習もいいかもしれません。そういう意識で弾く方がアドリブが上手くいったりします
ベーシストのアドリブのコンピング
ベースのアドリブの時は音量を下げて、さらに弾き過ぎないことが大切です
名演奏を聴いてもベースソロの時は全くコンピングしていないってこともあります
ドラマーのアドリブのコンピング
ドラマーがアドリブする時はフォーバースといって、みんなで4小節ごとドラムと交互に演奏することが多いです
ドラムのアドリブの時はコンピングはしません。そして他の楽器が演奏しているときはコンピングします
ボーカルがいる時のコンピング
セッション中にボーカリストがいて一緒にアンサンブルするってことも多いのですが、ボーカリストがいる時はさらに難しいです
ボーカリストにより曲のキーがさまざまですし、曲の前にピアノだけの伴奏で歌うバースという部分があるからです
ボーカリストがいる時はさらに歌に合わせて、コンピングというか伴奏をするっていうイメージがいいのかなと思います
ドラムもベースもいない時のコンピング
セッションのタイミングによってはドラマーやベーシストがいない場合もあります
みんなが集まるまで待つことも多いのですが、ドラムレスやベースレスも勉強になるので挑戦してみるのもおすすめです
ドラマーやベーシストの重要性が実感できます
ピアノはベースやドラムのようにリズムやコード感を出す弾き方もできますが、それは後々勉強するとして
まずはベーシストとドラマーがいると思ってコンピングしてみましょう
ドラムとベースで演奏するスウィングのリズムを知っておく
コンピングを上手くするにはドラムとベースの動きを知っておく必要があります
ここではジャズセッションでよく演奏されるスウィングの動きだけに絞って説明します
スウィングのドラムの動き
良くセッションで演奏される基本的なスウィングのドラムは
2拍目と4拍目がシャッフルしたイメージでライドシンバルをたたきます
2拍目と4拍目にハイハットをペダルで踏んでならします
さまざまなシンバルレガート
これがシンバルレガートと呼ばれるものです
基本的な形です
このシャッフルのところの最後の音がドラマーや曲によって1拍目と3拍目に近いのか遠いのかで変わってきます
この位置でグルーブが感が変わってくる重要なところでもあります
こんな感じのシンバルレガートもあります
ピアノのコンピングも基本的にこの位置です
スウィングのベースの動き
ベースは2ビートや4ビートで動きます
4ビートの時はウォーキングベースといって深みのある四分音符で鳴らします
みんなより10分の1歩くらい先を歩いているイメージで演奏し
ピアニストを含む演奏者全員ベーシストを抜かさないようにイメージするとリズムキープでき、グルーヴ感も出せるようになります
ベースとドラムを含めた基本のスウィングイメージ
ドラムとベース、ピアノを入れるとこんなイメージ。
ベースが少し前にいてドラムとピアノが少し後ろをいくといい感じのスウィングフィールが出せるそう
ピアノは2と4の裏拍にコードを入れること意識。
3連符を感じながら同じテンポだけど違うリズムで演奏
上記の基本型にドラムはスネアやバスドラを足し、ベースも4分音符以外の音を足して弾きます
ピアノや管楽器はさらに3連符や8分音符、レイドバッグさせたりと自由なリズムで演奏します
どの楽器もリズムは異なるんですが、テンポは同じでさらに3連符を絶えず感じておくことが重要です
名演奏は全く違う動き
実は名演奏では上記なような動きをしているものはないことが多いですがこれが基本なので、いつでもこのリズムが演奏できる。頭の中でならせることができるってのが大切なのかなと思います
基本がないと発展もないですからね。
コンピング習得方法
コンピング習得するにはメトロノームを使って練習します
メトロノームを4拍でならしてそれぞれの拍に3連符を感じて3連の最後の裏拍ところにコードでも一音でもいいのでピアノで音をならします
実際の曲もメトロノーム使って2拍目と4拍目の裏拍赤い☆のところにコードを入れてみます
これができるようになったら、アドリブも3連符にはまるように練習します
ジャズピアノのリズム習得方法についてこちらの記事に書いているので合わせてチェックしてみてくださいね
レッドガーランドのコンピングを真似てみる
初心者のうちは2拍目と4拍目の裏にリズムが狂うことなくきちんとコードを入れられるか練習するのがおすすめ
レッドガーランドのコンピングはきれいに2拍目と4拍目にコードが入ったコンピングが多いです。たまにベストタイミングで表拍にもコードが入っており、音使いも分かりやすく初心者でも真似しやすいです
コンピングのタイミングをつかめてきたらボイシングも研究
コンピングの位置がなんとなくつかめてきたら、ボイシングも勉強してみましょう
ちーこは8年経ってやっとボイシングを勉強し始めることにしました。もちろんレフトハンドボイシングは何となく理解して使っていましたが、実はいろんなボイシングの仕方があります
耳が良い方は名演奏を聴いていろいろなコードのさえ方を研究して習得する方法もありますが、難しくて無理って場合は、まずはレフトハンドボイシングを2と4拍目の裏に入れる練習を習得してみます
できるようになったらレフトハンドボイシングにルート入れたり、テンションノートを追加したりしてみます
メロディーに答えるようにコンピングする
マイナスワンのCDなどで実際のセッションのメロディーを想定して歌いながら、レフトハンドボイシングや自分で研究したボイシングを弾きます
基本2と4の裏にコードを入れ、メロディーが途切れるところでキーのダイアトニック上のコードを選んで弾いたり、メロディーに答えるようなメロディーを弾いていきます
名演奏を聴くとコードを弾いているというよりは、相手のメロディーに答えているって感じで弾いています
まとめ
今回はジャズピアノで一番難しいコンピングについてまとめました
ほんとにこのコンピングの位置がばっちりになれば、ジャズピアニストとして合格です。
かっこいいコンピングができるようになれば、かっこいいアドリブもできるようになり、耳コピーしたフレーズもうまくはまるようになります
お互い頑張りましょう!
最後までご覧いただきありがとうございました。
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