こんにちは! ジャズ部部長のチーコです
ジャズ部では
- ジャズピアノをはじめようと思っている方
- ジャズピアノでセッションに参加したい方
- ジャズピアノをもっと楽しみたい方
に分かりやすくセッションで楽しめるようになるまでの
練習方法などを紹介しています
スケール(音階)についての考え方と練習方法をまとめていきます
今回はマイナースケール!実はマイナースケールは3種類もあるのです
今回はマイナースケール3つとその使い方についてまとめてみます
結論!3種類のマイナースケールはメロディックマイナースケールを覚えれば簡単。ボイシングに気をつければどれでも使える
Cメロディックマイナースケール
メロディックマイナーの上行形はメジャースケールの3度の音を半音下げるだけでできてしまうので、覚えやすい
Cハーモニックマイナースケール
メロディックマイナーの上行の第6音が半音下がったもの
Cナチュラルマイナースケール(エオリアンスケール)
ハーモニックマイナーの第7音が下がったもの
アドリブの時にはどれを使っても大丈夫だが、ボイシングに気をつけること。
メロディックマイナースケール一覧
ハーモニックマイナースケール一覧
ナチュラルマイナースケール一覧
スケールについておさらい
スケールとは音階のことです
音階とは音律から選び出した音を並べたものです
ド、レ、ミ、ファ、ソ、ラ、シ、ドの白鍵と
ド♯(レ♭)、レ♯(ミ♭)、ファ♯(ソ♭)、ソ♯(ラ♭)、ラ♯(シ♭)の黒鍵
の12音が西洋音楽でもジャズでも使われている音律です
そこから選び出した音
例えばドレミファソラシドを選びだして
ドからドレミファソラシドと並べれば Cメジャースケールとなります
ジャズでよく使うスケールは全部で16種類くらい
スケール(音階)は音律から選んだ音であり
日本では4度と7度の音を抜いた 47抜き音階が有名ですね
Cキーの47抜き音階は
ドレミソラとなります
日本の童謡や唱歌などでよく見られます
そんな音階はたくさんあるのですが
ジャズでよく使われるとされる音階はこれらです
- イオニアンスケール(メジャースケール)
- ドリアンスケール
- フリジアンスケール
- リディアンスケール
- ミクソリディアンスケール
- エオリアンスケール(ナチュラルマイナースケール)
- ロクリアンスケール
- メロディックマイナースケール
- オルタードスケール
- コンビーネーション・オブ・ディミニッシュスケール
- リディアン7thスケール
- ロクリアン♯2スケール
- ブルーノートスケール
- ペンタトニックスケール
- ホールトーンスケール
- ハーモニック・マイナーパーフェクト5thビロウスケール
エオリアンスケールとも呼ばれる、ナチュラルマイナースケール。ハーモニックマイナースケール、メロディックマイナースケールの3種類のマイナースケールを解説していきますね
ナチュラルマイナースケール
まずはナチュラルマイナースケール(エオリアンスケール、自然短音階)
メジャースケールと比べて
第3音と6音、5音が半音下がった音です
これがマイナースケールの原型?のようなもの。
後述する音楽理論的にはハーモニックマイナーもメロディックマイナーもこの原型からの変形と考えます
覚え方!メジャースケールを使う
マイナースケールはコードを覚えるときと同じように、音と音の間の数で覚得る方法もありますが、
一番おすすめなのは、弾きたいナチュラルマイナースケールの短3度上の音のメジャースケールを弾くこと
Cナチュラルマイナースケールなら短3度上のE♭メジャースケールが構成音が同じになります
ハーモニックマイナースケール
ハーモニックマイナースケール(和声短音階)です
メジャースケールと比べて 3度と6度が半音下がっています
Cマイナーで考えるとCナチュラルマイナースケールのシ♭がシになっています
導音であるシになることで主音(トニック)への帰結感が強くなります
覚え方
ハーモニックマイナースケールはメジャースケールで応用できないので丸暗記してしまいます
メロディックマイナースケール上行の6度が半音下がっているものって考えると覚えやすいです
メロディックマイナースケール
メロディックマイナースケール(旋律短音階)は上行と下行でスケール音が違います
上行はメジャースケールの第3度が半音下がったものです
《上行》
下行はナチュラルマイナースケールと一緒です
《下行》
覚え方!メジャースケールの第3音を半音下げる
上行はメジャースケールの第3音を半音下げると覚えます
下行はナチュラルマイナースケールと同じになります
ジャズのセッションでピアニストが使うとき
この3種類のマイナースケールですが、なんだか覚えるの大変ですよね
ジャズではいったいどう使いわけるのでしょうか?
コード進行やメロディーから読み解く
3種類のマイナーの使い分けはコード進行やテーマのメロディーを見るのと吟味しやすいです
そのスケールの各音上に3音もしくは4音をかさねて成立するコードをダイアトニックコードといいます
使われているコードから曲の中でどのマイナースケールが合うのか吟味します。
Cナチュラルマイナーのダイアトニックコード
Cハーモニックマイナースケールのダイアトニックコード
Cメロディックマイナーのダイアトニックコード
テーマのメロディーにも注目
テーマのメロディーで♯や♭などの変化記号が付いている場合は、ナチュラルマイナースケール以外のスケールになっています(転調してない場合)
テーマを演奏する時に見ておくとテーマをフェイクするのに役立ちます
アドリブではどのマイナースケールを使っても大丈夫
アドリブの時は3つのどのマイナースケールを使っても大丈夫。もちろんコード進行との兼ね合いもありますが、その時にリハーモナイズして演奏されているケースが多いです
曲の中でも1周目のアドリブはナチュラルマイナースケール。2周目はハーモニックマイナースケールやメロディックマイナースケールに変えてみるとかっこいいアドリブ展開ができます
どのスケールを使おうとしているのかメンバーに伝わるようなフレーズでアドリブ展開してあげるとアンサンブルがうまくいきます
これは初心者には難しいですよね。ちーこもできません
気を付けるのはコンピングやボイシング
ピアニストが一番気を付けたいことはコンピングの時。
メロディックマイナースケールでアドリブしているのに、ハーモニックマイナースケールの音をつかったボイシングでコンピングをすると第6音や第7音が半音でぶつかってしまいます
テーマのメロディーを演奏しているときも同じことが言えます
ぶつかったなと思ったら弾くのをやめる
音がぶつかったな思ったらさっとコンピングするのをやめてみます。
初心者のうちはコードを弾くのに必死になるあまり、音がぶつかったことに気が付かないことが多いのですが、弾くのをやめるのも立派な選択。
セッション中は周りの音が聴けるように意識するだけでも違います
6度と7度を抜いたボイシング
プロになれば、アドリブに合わせてスケールを変えたり、相手のアドリブのスケールに合わせてボイシングを変えたりするのですが初心者は難しいです
最初はマイナースケール3種類の違いを決定する第6音、第7音を抜いた音でボイシングをするといいと思います
徐々に音を聴きながらどのマイナースケールが合うのか吟味しながら、自分からしかけたり、相手の音に合わせたスケールの音でボイシングをします
ロングトーンでぶつからなければそこまで気にしなくて大丈夫
たとえ音がぶつかったとしても、ロングトーンでお互いが伸ばしていなければ、そこまで気にならないのが正直なところです
セッションに参加して、隙間に音を入れてコンピングしているくらいなら気にしなくても大丈夫です
ボイシング作っていくのはNG?
ボイシングは周りの音を聴いてから決めるのが基本。
自分でこういったボイシングにしようとかと考えていると周りの音が聴けなくなり、独りよがりの残念なアンサンブルになりかねません。
たとえ音を間違えてもほかの演奏者の音に反応して、ボイシングを瞬時に作るということを意識します
どんなサウンドにしたいのかというイメージを持つこと大切なのかなと思います
実はマイナー3種以外にも使えるスケール
実はマイナーの曲はマイナー3種の他に、ドリアンスケールやブルーノートスケールが使えます
アドリブの時に取り入れるとさらにバラエティーに富んだアドリブ展開ができます
マイナーを使いけるおすすめな曲
マイナースケールをマスターするには「朝日のようにさわやかに」がおすすめ。
- Cマイナーキーの曲なのでピアニストが勉強しやすい
- メロディーが単調なので覚えやすい
- コード進行も簡単
- シンプルな曲なのでスケールを使いわけたときに雰囲気の違いを感じやすい
3種類のマイナーキーやドリアンスケールやブルーノートスケールを使ってアドリブして、それに合わせたボイシングを考えていく練習をすると、セッションの時に役立ちます
ぜひ名演を聴いて研究してみてくださいね
まとめ
今回はマイナースケールの3つの覚え方や使い方について説明しました
マイナースケールは3つありますが、マンネリでつまらないと思ったりしたときに、アドリブで使い分けるくらいでよいのかなと思っています
重要なのはコンピングの時。メンバーと音がぶつかったなと思ったらコンピングをやめて様子をみる。
メンバーのアドリブをしっかり聴いてもどのマイナースケールを使っているか分からないときは、マイナースケールの6度と7度の音を抜いたボイシングでコンピングするととりあえずセッションがうまくいくと思います
最後までご覧いただきありがとうございました
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