こんにちは! ジャズ部部長のチーコです
ジャズ部では
- ジャズピアノをはじめようと思っている方
- ジャズピアノでセッションに参加したい方
- ジャズピアノをもっと楽しみたい方
に分かりやすくセッションで楽しめるようになるまでの練習方法などを紹介しています
今回はコード進行や機能についてまとめました
正直コード進行についてそこまで分かっていなくてもジャズセッションは楽しめますが、最低限のことをさらっと知っておくとより深くジャズを楽しめます
結論!音楽理論は音楽神経を鍛えるのに使うツールのようなもの
コード進行はドミナントからトニックへ5度進行が基本。その補助的な役割でサブドミナントが存在している。その中に代理コードや借用和音が入り混んでおり、さらに大きく転調しているところもあるので分析がややこしい曲も多い。
少し理論を知っておくだけでも、なかなか聞き取れなかったフレーズが聞き取れるようになったり、イントロでどのコードを弾いたら入りやすいのかも分かったりします
名演を聴きながら音楽理論を勉強していくってのが上達のポイントです
理論を知るメリット
音楽理論を使うことによって曲が分析でき、音楽の経験が浅くても音楽を楽しめる手助けになります
- 耳コピーしやすくなる
- 曲の理解が深まり耳コピーしたフレーズを自分のものにできる
- 自分でも自由にアドリブやイントロ、エンディングを作れるようになる

音楽理論は音楽神経を鍛えるのに役立つツール。マシーンなどを使って筋肉を付けた後の方が運動神経を効率よく鍛えられそうですよね。
理論ってそのマシーンのような役割かなとちーこは考えています
理論は後付け!?
音楽理論を勉強しても、演奏は上達しません。ジャズピアノでセッションに参加するのもチームプレーのスポーツのようなイメージです。筋肉ムキムキになっても、ルールを知り、メンバーと力を合わせなければスポーツで勝てないですよね。それと似ています。
メンバーの音を聴いてどうすれば良いプレーがみんなでできるのか。それがセッションにおいて一番大切なことです
コード進行とは
コードとは3つ以上の音が重なったものです。調性を表すために3つ必要なのです
これらのコードが連結されたものがコード進行です
コード進行を分析すると何が分かる?
どのコードがどのような必然性をもって次のコードに進もうとしているのかを見るのがコード進行分析です
コード分析すると
転調、代理コード、借用和音に気が付き、アドリブがしやすくなります
コード進行を分析するメリット
コード進行を分析をするメリット
- アドリブの幅が広がる
- 耳コピーしやすくなる
- ジャズがもっと楽しくなる
緊張と緩和がコードが動く要因
コードを動かす要因は5度進行とコードの機能があります
それらはざっくりというと緊張と緩和の繰り返し。
基本的にそのキーのトニックの5度上のコード(不安定で緊張感がある)から5度下のキー(安定感があり緩和される)に戻るということを曲の中で繰り返しているイメージ。
導音は半音上に上がって解決したい音。5度上のコードの音には導音があり(CメジャーキーだとGのシの音)、安定していない緊張しているコードで5度下のトニックに戻りたいと強く感じるのです
5度進行
ルートが完全5度下降する進行を5度進行といいます
こちらが五度圏の表
5度進行の中でドミナントセブンスコードが完全5度に解決するのをドミナントモーションとよびます
曲の中ではC7 F7 B♭7 E♭7のように長いドミナントモーションが繰り返されるようなコード進行もありますよ
コードの機能
コード機能は3つあります
- トニックコード
- ドミナントコード
- サブドミナントコード
の3つです
これらはダイアトニックスケール上の 1、 4、 5番目のコードであり
Ⅰ トニックコード
Ⅳ サブドミナントコード
Ⅴ ドミナントコード
下記の記号で表されることもあります
T トニックコード
S サブドミナントコード
D ドミナントコード
それぞれに機能があります
トニックコード
スケールの第1音(トニック)をルートとするコードでもっとも安定している
ダイアトニックコードの中の1番目の音です
調性やキーを最終的に決定する機能がある
メジャーキーでは Ⅰ ⅠM7 Ⅰ6 Ⅰ7
マイナーキーでは Ⅰm ⅠmM7 Ⅰm6 Ⅰm7
これらがトニックコードとなりCキーでだとこんな感じです
トニックコードは安定しているのでどこのコードへも進行できる特徴があります
ドミナントコード
スケールの第5音(ドミナント)をルートとするコードで
メジャーキーマイナーキーともV7として使用されます
ダイアトニックコードの中で5番目の音です
ドミナントコードは
3度と7度音感に増4度(減5度)の音程があるため緊張感のある不安定なコードになります
増4度音程の音はトニックのルートと3度の音に進行して落ち着きたい性質があります
なのでドミナントコードの多くは安定したトニックに進行します
安定したトニックコードにもどることで、ドミナント→トニックという動きのあるコード進行が生まれます
これをケーデンスやカデンツとよび、これがコード進行の基本となります
サブドミナントコード
スケールの第4音(サブドミナント)をルートとするコードです
ダイアトニックコードの中で4番目の音です
ドミナントコードほどではないですが、動きを生み出すコードです
ドミナントコードは進行してドミナントの動的な動きを強めたりトニックへ進行することもあります
メジャーキーでは Ⅳ ⅣM7 Ⅳ6
マイナーキーでは Ⅳm ⅣmM7 Ⅳm6 Ⅳm7
がサブドミナントコードと呼ばれます
いずれもⅣのところには
12キーのローマ字が入ります
Cキーでだとこんな感じです
そのほかのダイアトニック上のコードは代理コード
曲のコード進行にとって重要なコードは
- トニックコード
- ドミナントコード
- サブドミナントコード
の3つ。ダイアトニック上だとⅠ Ⅳ Ⅴと説明しましが
これ以外にもコードが存在します
ダイアトニック上のコードだけでも
Ⅱm7 Ⅲm7 Ⅵm7 Ⅶm7♭5などのコードがあります
これらはの代理コードとよばれ
- Ⅲm7 と Ⅵm7 はトニックコードの代理
- Ⅲm7 と Ⅶm7♭5はドミナントコードの代理
- Ⅱm7はサブドミナントコードの代理
になります
ダイアトニック以外の音が出てきたら転調
ダイアトニック以外のコードは転調していると考えて大丈夫。
借用和音のような同主調から借りてきたコードもあったり、完全に違うキーへ転調していることもあります
そしてややこしいのがこの借用和音の代理コードまであるので分析するのが結構大変なのです

たまーに分析できないようなコードがでてきたり、いろいろな解釈ができるコード進行もあるよ
コード進行はケーデンスの組み合わせ
曲の終止形 ドミナント→トニック
のようのようにコードを動かす要因となるコードの流れをケーデンスとよびます
コード進行はケーデンスの組み合わさったものです
- トニックコード
- ドミナントコード
- サブドミナントコード
の組み合わせでケーデンスを作られそのケーデンスの集まりがコード進行となります
コードの機能を理解したら
ケーデンスを理解してみましょう
ケーデンスは8つある
ケーデンスのかたちは細かく分けると8つあります
基本は★の3つになります
この★だけ理解できればコード分析はできます
SMサブドミナントマイナーはメジャーのキーでの借用和音になります
Cキー | Cmキー | ||
★D→T | Ⅴ7→Ⅰ | G7→C | G7→Cm |
★S→T | Ⅳ→Ⅰ | F→C | Fm→Cm |
★S→D→T | Ⅳ→Ⅴ7→Ⅰ | F→G7→C | Fm→G7→Cm |
S→SM→T | Ⅳ→Ⅳm→Ⅰ | F→Fm→C | |
S→SM→D→T | Ⅳ→Ⅳm→Ⅴ7→Ⅰ | F→Fm→G7→C | |
SM→T | Ⅳm→Ⅰ | Fm→C | |
SM→D→T | Ⅳm→Ⅴ7→Ⅰ | Fm→G7→C | |
D→S→T | Ⅴ7→Ⅳ→Ⅰ | G7→F→C | G7→Fm→Cm |
T トニック
D ドミナント
S サブドミナント
SM サブドミナントマイナー
すべてがトニックに向かっていますね
ドミナントやサブドミナントを経由してトニックへ向かう
この形をしっかり覚えちゃいましょう
このケーデンスを理解することがコード進行分析に不可欠です
そしてコード進行が分析できるようになると
アドリブがしやすくなります
実際の曲でこのケーデンスを確認してみましょう
ケーデンスを確認する時は
T トニック
D ドミナント
S サブドミナント
SM サブドミナントマイナー
のローマ字やや
などの記号を使います
これはドミナントモーションといって5度下降進行しているところで使います
これはドミナントをⅡm7 Ⅴ7 に分割した時につかいます
ドミナントモーション
こちらはCキーでのサブドミナント→ドミナント→トニックの
ケーデンスですがG7とCはドミナントモーションといって
5度下降進行しています
ジャズでよく出てくるツーファイブワン
こちらはCキーでドミナント→トニックのケーデンスですが
G7は分割されてその前にDm7をおいたものになります
Ⅴ7は自由にⅡm7 とⅤ7に分割できる性質を利用したものです
よく出てくるツーファイブワンです
Dm7をサブドミナントの代理コードととらえてサブドミナント→ドミナント→トニックという解釈もできます
ケーデンスからキーを分析
ケーデンスを使ってキーを分析していきます
このケーデンスからキーをみつけることで
アドリブがしやすくなるのです
「枯葉」で分析
こちらはGmキーの枯葉の最初の4小節です
T トニック
D ドミナント
S サブドミナント
SM サブドミナントマイナー
これらのローマ字や記号を使って分析しキーを決定していきます
*のところは代理コードになります
ジャズピアノ初心者でもできる!代理コードを知って曲を分析してみよう
2つのキーの曲
こちらの8小節はすべてGmキーともとれるし
最初のB♭M7までをB♭キーととらえて
E♭M7からGmまでが
Gmキーととらえることもできます
同じスケールでアドリブ可能
スケールを使ったアドリブの場合、B♭キーはB♭メジャースケールでアドリブでき、GmキーはGナチュラルマイナースケールでアドリブできます
そしてこのB♭メジャースケールとGナチュラルマイナースケール
は構成音が同じになるのでキーは異なるけど同じスケールでアドリブできるのです
それゆえに枯葉は初心者に人気な曲とも言えます
まとめ
今回はコード分析に必要な
コードの機能やコード進行についてまとめてみました
コードの機能を理解してコード進行が分析できるようになれば
アドリブができるようになったり
マンネリ化したアドリブを変えたり
耳コピーがしやすくなったり
曲の理解が深まり、さらにジャズを楽しめるようになりますよ
ジャズピアノのアドリブについてまとめた記事はこちら
セッション参加までの道のりをまとめたこちらもぜひチェックしみてくださいね
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