こんにちは!ジャズ部のちーこです。ジャズ部ではジャズピアノ初心者がセッションで楽しめるようになる方法を紹介しています。
- セッションに参加したけど、どう演奏していいか分からない
セッションに参加すると、聞いたことがあるけどどうやって演奏したらいいか分からないって曲に出会うことが多々あります。そこに参加できるようになるには曲を知る必要があります
ジャズセッションにおいて定番のナンバーである「On Green Dolphin Street」。この楽曲は、初心者セッションでもよく演奏されるので押さえておきたい曲の1つ。
本記事では、ジャズセッションにおいて「On Green Dolphin Street」をピアノで演奏する際のポイントを、コードの解釈、イントロの作り方、アンサンブル内での立ち回り、ソロのアプローチ、などについて解説していきます

あくまでちーこの解釈になるので、参考程度にご覧ください
結論!
「On Green Dolphin Street」曲はその理由は下記の理由から結構難しい曲。
- ラテンとスウィングのリズムの切り替え
- モーダルなソロ
- 複雑な曲構成
しかし初心者セッションでよく演奏されます。そしてだいたいグダグダになって終わり、上手くいったことがありません(笑)
下記2点は抑えておきたいポイントです
- リズムのラテンと4ビートが切り替わる
- ソロ終わりはCセクションが4小節のびる
まずは「On Green Dolphin Street」について理解しよう
「On Green Dolphin Street」は1947年のハリウッド映画『大地は怒る』のためにブロニスラウ・ケイパーにより作曲されました。1950年代後半にマイルス・デイヴィスが取り上げたことでジャズ界に広く認知され、以降、ビル・エヴァンスやジョン・コルトレーン、キース・ジャレットなど、多くのジャズミュージシャンによって演奏されてきました。モーダルとコードチェンジのバランスが絶妙で、ジャズプレイヤーの創造力を刺激する曲として定評があります。
曲構成はA-B-A-C!テーマとソロの後のCセクションは4小節増える
「On Green Dolphin Street」は、A-B-A-Cというちょと変わった構成。テーマ後とソロの後はCセクションが4小節増えます
ラテンとスウィングを切り替えるリズムが多い
「On Green Dolphin Street」はラテンとスウィングで演奏したり、スウィングのみで演奏されたりします。
名演の多くはスウィングフィールが多いですが、セッションではラテンとスウィングを切り替えて演奏されることが多いです
下記がジャズ・スタンダード・バイブル(黒本)に書いてあるリズム
- イントロ:ラテン
- Aセクション:ラテン
- Bセクション:スウィング
- Cセクション:スウィング
セッションではこの通りに演奏することが多く1巡目のソロの後は上記のようにAはラテンとBはスウィングと切り替えて演奏され、2巡目はスウィングで演奏されることが多いです
ピアノ演奏のコツ
ラテンとスウィングを切り替えて演奏するパターンのピアノの演奏についてまとめます
ピアノ演奏の練習は下記の優先順位
- コンピング
- エンディング
- イントロ
- アドリブ
コンピング
ピアノ演奏で一番大切なコンピング。ベーシストやドラマーと呼吸を合わせ、フィールの変化に敏感に対応する必要があります。
ラテンパート(Aセクション)ペダルトーンでゆったりと
メロディーのフレーズが伸びており、さらに同じコードが2小節にわたっています。
ピアノ演奏のコツは
小さなコンピングでサポートしすぎず、「空間」を大切にすること。コードを長くのばして弾くだけでよいです
ラテンだからといってガチャガチャと弾くのはこの曲の場合はNG。
イントロと同じ感じで入るとうまくいきます
そしてベース音が維持されているペダルトーン。ベースとリズムを合わせて弾くか、伸ばして弾くか、どちらでもいい感じになります
スウィングパート(B・Cセクション)
スウィング部分は2拍目と4拍目の裏をメインにコードを入れ、ところどころ1拍目や3拍目にもコード入れます。そしてコードを入れすぎない。
この感覚は名演を聴いてつかむしかないです

ちーこはコードをついつい入れすぎて怒られちゃいます。きちんとベストなタイミングで入れれるのであればレッド・ガーランドのような2と4裏にずっとコードを入れるコンピングもありです。
エンディング
テーマのCセクションは4小節のびます。
最後のコードE♭でシンプルに終わる場合とEM7→E♭で終わる場合もあります。
ちーこ的にはすべてのソロの最後にEM7を入れ、エンディングもEM7を入れるのが好きです
浮遊感が出て「On Green Dolphin Street」の曲らしさを引き立てます
イントロ
イントロは8小節。ベースがE♭で固定のペダルトーンです

アドリブ
E♭メジャーの曲ですが、Aセクションはモーダルでゆったりとした感じ、Bセクションは軽快なスウィング感を出すとメリハリがついていい感じのアドリブになる気がします
コード進行分析
※ちーこの解釈なので参考程度にご覧ください

Aセクションの浮遊感
Aセクションは浮遊感漂いまくり。このコード進行を早く弾くと昔のゲームでボスが登場する時のBGMみたいになるなと感じるのはちーこだけでしょうか?ゆったりとしているから気づきませんがかなりえぐーいコード進行。
2小節にまたがるコード進行、しかもメロディーもゆったりしていると、コードの構成音やテーマのメロディーを変えてアドリブする技が使えず、初心者は苦労します
こういう時に役立つのが名演をコピーしつつスケールの知識に頼るってことです

- 3小節目のG♭M7、6小節目のEM7は♯11を入れてリディアンスケール
- 5小節目のF7は♭7を入れたミクソリディアンスケール
上記を意識するとうまくいくような気がします

ジャズピアノ初心者も理解しておきたい音楽理論についてはこちらにまとめています

Bセクション
Bセクションは最初の4小節はE♭メジャーキーと後の4小節はG♭メジャーキーになります
E♭M7のサブドミナントマイナーA♭m7はサブドミナントマイナーからのG♭M7のツーファイブができて着地といった感じになります
コード進行も難しくないので、スウィングのリズムで軽快に演奏します。Aに戻る時は8小節目Fm7 B♭7 では表拍にコード入れてラテンフィールの雰囲気を出します

Cセクションのソロが終わる時は4小節増える
各楽器のソロが終わる時はCセクションが4小節増えます。これが結構忘れられてセッションで演奏されがち。ちーこはいつも混乱しています
そして自分のソロが終わる時は皆に伝わるようにテーマのメロディーを軽くフェイクして弾くのもコツ。周りをガン見しなくてもソロ終わるんだなーってことが伝わる場合があります

フィールを伝える
アドリブでラテンフィールで演奏したいときはベーシストやドラマーに伝わるようなフレーズを弾くのがいいのですが、初心者同士の集まりだと伝えられないし、伝わらない
初心者セッションではこのフィールが皆バラバラになって上手くいかないってことが多々あります
きちんとセッションで教えてくれるセッションリーダーがいればいいのですが。
練習方法とセッションへの準備
セッションに参加するには下記内容をざっくりと頭に入れておきましょう
- セッションのルールマナーを頭に入れる
- ジャズピアノのコンピングとボイシングを学ぶ
- イントロとエンディングを勉強する
- アドリブを勉強する
- 歴史や理論を勉強する
セッションまでの道のりはこちらで詳しく紹介しています
一度は必ず習う
もし1度もジャズピアノを習ったことがない場合は、一度先生に習ってみてください。
いろいろなジャンルのピアノが弾ける先生ではなく、実際にジャズのセッションやライブで活躍されているジャズのみ演奏している人がおすすめです
というのもジャズって奥が深いので、クラシックやポピュラーピアノが弾けてなんちゃってジャズになっている先生も多くいるからです
ピアノソロで弾く分にはいいのですが、セッションは皆と一緒に合わせないといけないのでジャズのアンサンブルに精通している人に習わないと上達はしません
独学する場合
先生に教えてもらうのと、独学の組み合わせが最強です
自分で練習する時はフレーズやコンピングを耳コピーします
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メトロノームやマイナスワンで練習
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名演を聞いて、フレーズをコピーする
下記の記事で耳コピーのコツを紹介しています
日々の練習
独学しようと思っているけど、耳コピーもできないしどうしようと悩んでる人は日々の練習をまずは頑張ってみるのがおすすめです
ちーこも最初の3年間くらいはひたすら基礎練習してました。色々な教本を読んでちーこなりに考えたメニューになります。自分でアレンジしたりして日々の練習に取り入れてみてくださいね
まとめ
「On Green Dolphin Street」はラテンとスウィングのリズムの切り替え、モーダルな雰囲気、複雑な曲構成という点で初心者には難しい曲です
しかしこの曲が演奏できれば、自信にもつながります!是非練習してセッションで演奏してみてくださいね
最後までご覧いただきありがとうございました
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