こんにちは!ジャズ部のちーこです。ジャズ部ではジャズピアノでセッションに参加して楽しめる方法を紹介しています。
- ジャズピアノで1曲弾けるようになりたい
- ジャズピアノトリオでおすすめな曲を知りたい
ジャズセッションに参加するには自分でテーマが演奏できてイントロ~テーマ~アドリブ~エンディングがきちんと演奏できる1曲を用意しておくのがおすすめ。
でもどの曲がいいか悩みますよね。
そんああなたにおすすめな1曲が「サテンドール (Satin Doll)」。ピアノトリオの名演も多く、シンプルなコード進行なので初心者にもおすすめ。なんといっても弾いていて楽しいんです。
この記事ではジャズピアノ初心者に向けてピアノトリオで「サテンドール (Satin Doll)」演奏する方法を紹介します。この記事を読めばセッションに参加してピアノトリオの演奏を楽しめるようになりますよ
結論!サテンドールのコード進行分析
サテンドールはほぼCのメジャースケールでアドリブできる曲!もちろんアドリブを演奏する時は歌うことを大切にしてくださいね
サテンドールのコード進行とコード進行分析をまとめました!

サテンドール解説
「サテン・ドール」はジャズ史に名を刻む名曲で、1953年にデューク・エリントとビリー・ストレイホーンが作曲しました。
オリジナルはビックバンドの演奏ですがピアノトリオなどの小編成でもよく演奏されます。
軽快なスウィング感を楽しみながらセッションに参加できる曲です。
ジャズピアノ初心者におすすめな理由
ジャズピアノ初心者におすすめな理由は下記の5つの理由からです
- イントロがある
- Cのメジャーキー
- ツーファイブがたくさん出てくる
- 転調が少ない
- 曲の形式がシンプル
イントロがある
セッションの中でイントロを出すのはピアニスト。初心者のころはイントロを自分で考えるのって難しいですが「サテン・ドール」は定番のイントロがあります。
キーがCメジャー
ジャズの曲の多くがFやB♭、E♭キーなど管楽器奏者が演奏しやすいキーになっています。
その中でも「サテン・ドール」はCのメジャーキー。調号がついていないのでピアニストには大変嬉しい楽曲なのです。
ツーファイブが多い
ジャズでマスターしたいツーファイブ ⅡーⅤ 進行なのですが、これがやたらと出てきます。
ジャズのアドリブをマスターしたいならこのツーファイブに慣れるってのも手。「サテン・ドール」をマスターできたらツーファイブをマスターできたようなもの?ちーこ的には考えています
転調が少ない
ジャズのセッションで演奏される曲の中には部分転調や借用和音、またまた大きな転調など難しい曲もあります。
「サテン・ドール」は大きな転調が1か所でしかもCメジャーキーからFメジャーキーの転調(4小節のみ)。細かい転調はあるものの、割と無視してもCメジャースケールとFメジャースケールを使えばアドリブできてしまいます。
Fメジャースケールも調号1つなのでありがたい転調ですよね
曲の形式がシンプル
曲の形式はAABAというシンプルな形式。演奏中にどこを演奏しているのか迷うことが少ないです。
サテンドール名演
まずは名演をしっかり聴いちゃいましょう!
その中で自分が演奏したいスタイルを見つけます。ピアノトリオではなくてもインスピレーションでこの演奏かっこいい!って思ったものをピアノで表現していくのがおすすめです
70バースデイデューク・エリントンSatin Doll(Live)70th Birthday Concert

Satin Doll (1962) [official video]
途中踊り出すエリントンの姿に噴き出してしまいましたが、とにかく楽しそう。難しい演奏より余裕が大事。エリントンのどや顔と笑顔と謎のダンスは必見!

マッコイタイナー
コルトレーンのコルトレーンカルテットの在籍中に収録された演奏。強い打鍵でも繊細な響き☆
ちーこも大好きな「バラードとブルースとの夜」のアルバムの中に収録されています。

レッド・ガーランド
レッドガーランドは初心者にも聴きやすい、コロコロした心地いいピアノ。ドラマーとの4バースもあり、セッションでも役立ちそうな音源。

バド・パウエル
最近やっとバド・パウエルのすごさが分かってきました(←遅すぎ)
「なんかいい。なんか好き」。素晴らしい演奏はこの一言につきます

中山瞳さんトリオ
間の開け方もグッド!メロディーのない部分をベースにおまかせしているところとか。すごく参考になりますよ。
セカンドリフを使ったドラムとのやり取りが学べます。

楽曲解説
ここではピアノトリオで演奏すると想定して楽曲を解説していきます
まずコード進行から解説して下記の順に解説します
↓
テーマ
↓
アドリブ
↓
ベースソロ
↓
4バース
↓
エンディング
コード進行の把握
ざっくりとコード進行の把握をします。演奏をするのにコード進行分析する必要はそこまでないのですが、どうしてもうまくアドリブできないって時には助けになります。
コード進行分析
さらにコード進行の分析をちーこなりにしてみました!
AABA形式の曲なのでその順番で解釈していきます
A部分
A部分はCメジャーキーとなります。
実は回りくどい進行に見えますがCメジャーキーへ着地するのをかなり遠回りしているというコード進行になります
A7などCメジャーダイアトニック上にないコードがでてきますが、これはセカンダリードミナントとよばれる借用和音と解釈。
最初からDm7ーG7ツーファイブが出てきてダイアトニック上のEm7へトニックの代理コードという形で着地とみせかけてそこからEm7ーA7でDメジャーキーへ転調するかのうよなツーファイブ。2回目のA7はD7へのドミナントモーションとなります。
D7ーD♭7ーCの流れができます
ドミナントコードは自由にツーファイブに分解できるという性質を利用してここがAm7ーD7、A♭m7ーD♭7となっています
D♭7はG7の代理コードと解釈。CM7へ着地しています
B部分
B部分の前半4小節はFメジャーキーへ転調。これは分かりやすい転調になっています。
後半4小節はGメジャーキーに転調しているかのようにみえますが、最後G7となっているのでCメジャーキーへ回帰するコード進行とらえます

イントロ
イントロは自分でつくってもいいのですが、定番のイントロはこちら!

もちろんこのメロディーを自分でアレンジしてみて弾いてくださいね
テーマ
テーマのメロディーで印象的なのは隙間が多いこと。
隙間部分が気になってどうしてもピアノの音で埋めたくなってしまいますが、初心者が埋めようとすると無理やり感が出て、かっこ悪くなる可能性大。
潔くなにも弾かないという選択をして、ベーシストやドラマーにおまかせしてみるってのがおすすめです。
この隙間をどう生かすがこの曲の醍醐味かなと思います
コンピングやボイシング
右手はテーマのメロディーを弾いて、左手でコンピングしていきます
コンピングとは音を吟味してタイミングよく鳴らすこと。これがセッションでピアノを演奏する上で一番大切なんです。

かっこい演奏って右手と左手がまるで違う人が演奏しているように聞こえるんです。コンピングを極めるとこういうことなんだと思います
アドリブソロ
次にアドリブです。初心者の時って理論にこだわってどのスケールを使おうとか考えがちなのですが、自分が「サテンドール」の曲のコード進行の中でどのように歌いたいかを考えることが一番大切です。

ジャズは歌ってことを理解するのにちーこは8年以上かかっているのですぐには分からないかもしれないです
音を外さないために一応スケール
一応下記のスケールを使えばかっこよくなるは別として音は外れずにアドリブはできます
あまりにも音が外れてしまう場合は参考に。あくまでも名演をききながらコピーして自分の歌を歌えるようになることを優先にした方が上達します

セッションに参加できる最短アドリブ習得法
かっこいいアドリブができるようになるには、とても時間がかかります
名演をたくさん聴いてコピーしたり、メトロノームを使ってテンポキープ。そういったことを練習に取り入れて、セッションに参加します。
メロディーをフェイクしてみたり、コードの音を使ったりしてアドリブをしてセッションに参加して徐々に自分の歌が歌えるようになってくると思います分
下記の記事を参考にアドリブを練習してみくださいね
ベースソロ
ベースソロの時って今だにどうコンピングしていいか悩みますが、とにかく音は小さめに。
ベースのソロに合わせて自分も歌う感覚でコンピングします。
ベースソロの時ってコード感がなくなってしまうから迷わないようにたまにコードを入れるのがいい感じになります
うるさくなり過ぎないように4小節毎に少し音を入れますおすすめです
ベーシストがぐいぐいとソロを演奏しているときは弾かないのが正解なこともあります

ソリストの音をしっかり聴いてどうコンピングするのがいいか考えるのもセッションの醍醐味です
4バース
4バース(Four Bars) とは、ジャズ演奏の中でよく使われる、即興ソロの交換のスタイルです。「4小節ずつ」ソロを交代するのが特徴。 ピアノトリオの場合は、
ピアノ4小節→ドラム4小節
を繰り返し、32小節分(4回繰り返す)演奏したらまたピアノがテーマを演奏します
※8バースや32小節以上場合もあります
セカンドリフを使ったもの
曲の雰囲気を盛り上げるために曲の途中で追加されるセカンドリフというものがあります。それを使ってドラマーと4バースすることもあります。
エンディング
エンディングもさまざまですが、「サテンドール」では最後の4小節を3回繰り返して定番のエンディングを使います

最後の4小節の2回目は少し小さめの音で最後は大きく演奏してドカーンと終わるのが定番です。
まとめ
今回はジャズピアノ初心者に向けてピアノトリオで「サテンドール」を演奏するための攻略方法を紹介しました。
転調が少なく初心者でも挑戦しやすい楽しい楽曲なので是非セッションで演奏してみてくださいね
セッションに参加するまでの道のりを細かくまとめたのでこちらも是非チェックしてみてください
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