こんにちは! ジャズ部部長のチーコです
ジャズ部では
- ジャズピアノをはじめようと思っている方
- ジャズピアノでセッションに参加したい方
- ジャズピアノをもっと楽しみたい方
そんな方に分かりやすくジャズの魅力や練習方法などを
紹介していきます
今回のテーマはコード分析に必要な代理コードについて。
コード分析をしたからといって演奏が上手になるわけではないのですが、曲の理解が深まり演奏がより楽しくなります。
・コード進行を分析したい
・ジャズのアドリブで転調部分を知りたい
結論!初心者のうちはダイアトニック上の代理コードを理解ししよう
代理コードといわれるとなんだか難しい気がしますが、
トニック→サブドミナント→ドミナント→トニックへの流れるコード進行。
例えばCメジャーキーならC→FM7→G7→Cとなるところを、Am7→Dm7→Bm7(♭5)→Em7のようにコードを変化させているが同じ機能になるコードを代理コードといいます
ダイアトニック上で覚えると割と簡単です
調号が変化しない代理コードなので覚えやすいです。
メジャースケール上のダイアトニック
こちらはCメジャーのスケール上のコードです。4和音で表していますが3和音でも同じです
トニックであるⅠM7の代理はダイアトニック上の3番目と6番目にあるⅢm7とⅥm7
サブドミナントであるⅣM7の代理はダイアトニック上2番目のⅡm7
ドミナントであるⅤ7の代理はダイアトニック上の7番目Ⅶm7(♭5)
マイナースケール上のダイアトニック
こちらがナチュラルマイナースケール上のダイアトニック
ドミナントのところはⅤm7ではなくⅤ7で、代理コードはⅦdim7になることが多いです。その方がトライトーン(減5度)を含むのでトニックへの帰結感が強くなるからです
もっと深く知りたい場合は下記の内容も読んでみてくださいね!
コード進行についておさらい
代理コードを理解するにはコード進行について理解しておく必要があります
コード進行とはケーデンスの組み合わせでできています
ケーデンスとは曲の中でトニックへの帰り方(終止形)を分類したもので
各コードがトニックに向かって進行して安定しようとする一つのまとまったコード進行のことを言います
クラッシックでいうとカデンツといいます
ケーデンスのかたちは細かく分けると8つあります
- D→T
- S→T
- S→D→T
- S→SM→T
- S→SM→D→T
- SM→D→T
- SM→T
- D→S→T
T トニック
D ドミナント
S サブドミナント
SM サブドミナントマイナー
すべてがトニックに向かっていますね
ドミナントやサブドミナントを経由してトニックへ向かうのです
代理コードとは何?
代理コードとは
主要3和音のそれぞれの代理機能を持つコードのことです
例えば
Cメジャーキーの主要3和音は
トニックの C、C6、CM7
サブドミナントの F、F6、FM7
ドミナントの G7
これらはダイアトニック上の1,4,5番目のコードになります
- トニック・メジャー・コードの代理コード
- トニック・マイナー・コードの代理コード
- サブドミナント・コードの代理コード(メジャーキー)
- サブドミナント・コードの代理コード(マイナーキー)
- ドミナント・コードの代理コード
トニック・メジャー・コードの代理コード
Cトニック・メジャー・コードの主要コード
トニック・メジャー・コードの代理コード
どれもCトニック・メジャー・コードの中の音 ドとミやミとソなど
少なくても2つ共通する音があることがわかります
トニック・マイナー・コードの代理コード
トニック・マイナー・コードの主要コード
トニック・マイナー・コードの代理コード
サブドミナント・コードの代理コード(メジャーキー)
サブドミナント・コードの代理コード(メジャーキー)の主要コード
サブドミナント・コードの代理コード(メジャーキー)の代理コード
たくさんあるようにみえますがジャズでよく出てくるのはⅡm7!とりあえず、これは覚えてくださいね
サブドミナント・コードの代理コード(マイナーキー)
サブドミナント・コードの代理コード(マイナーキー)の主要コード
サブドミナント・コードの代理コード(マイナーキー)の代理コード
たくさんありますが、ジャズでよく出てくるのはⅡm7(♭5)、Ⅶ♭7
ドミナント・コードの代理コード
ドミナント・コードの主要コード
ドミナント・コードの代理コードはトライトーン(減5度)を含んでいるものになります
Cキーの場合ファとシの音が入っているものになります
借用和音の代理コードにも注目
ジャズのコード分析で難しい理由が、転調が多いってことです
何小節にもわたって大きく転調しているものもあれば、借用和音といって他の調(キー)からコードを借りるような部分転調もあります
そしてその借用和音の部分が代理コードになっているってことが多いんです
借用和音のサブドミナントマイナー代理コード
「THERE WILL NEVER BE ANOTHER YOU」
最初の16小節が大体下記ようなコード進行になっているのですが
E♭M7 E♭M7 Dm7♭5 G7
Cm7 F7 B♭m7 E♭7
A♭M7 D♭7 E♭M7 Cm7
F7 F7 Fm7 B7
A♭M7 はE♭メジャーのサブドミナント
D♭7はE♭メジャーのサブドミナントマイナーの代理
D♭7はE♭メジャーキーの中で
E♭マイナーキーの代理コードであるサブドミナントコードを借用してE♭メジャーキーで使っていると解釈できます
複雑な代理コードの解釈
解釈が難しいものだと
「IT COULD HAPPEN TO YOU」
最初の8小節が大体下記ようなコード進行になっているのですが
E♭M7 Edim Fm7 F♯dim E♭M7 A♭M7 Gm7♭5 C7
一見するとE♭M7 A♭M7 どちらもE♭メジャーのダイアトニックコードなのですが、 F♯dim~Gm7♭5の流れがおかしいですよね。なのでここは
E♭M7 はGマイナーキーのトニック代理
A♭M7はGマイナーキーのサブドミナント代理
と解釈します
曲の中で代理コードをさがしてみる
先ほどの借用和音されている代理コードを探すのはちょっと難しいのですが
『枯葉』なら比較的簡単に探せます
最初の8小節を見ていきましょう
Cm7 F7 B♭M7 E♭M7
Am7(♭5) D7 Gm Gm
これをローマ数字に直してみましょう
枯葉はGマイナーキーなのでGの音から数えて
何番目になるかをみてアルファベットをローマ数字に
なおしていきます
Ⅳm7 Ⅶ♭7 Ⅲ♭M7 Ⅵ♭M7
Ⅱm7(♭5) Ⅴ7 Ⅰm Ⅰm
- Ⅳm7=サブドミナント
- Ⅶ♭7 =サブドミナント代理コード
- Ⅲ♭M7 =トニックマイナー代理コード
- Ⅵ♭M7=サブドミナント代理コード
- Ⅱm7(♭5)=サブドミナント代理コード
- Ⅴ7 =ドミナントコード
- Ⅰm =トニックコード
こうみると代理コードがたくさん使われていることがわかります
まとめ
今回はコード進行を分析するのに欠かせない
代理コードについて紹介しました
ちょっと難しいのですがこんな考え方もあるんだなと思ってもらえたら幸いです
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