こんにちは!ジャズ部のちーこです。ジャズ部ではジャズピアノ初心者が楽しめる方法を紹介します。
- セッションで演奏できるようになりたい
- ジャズ名盤を聴いてもよく分からない
ジャズ名盤を聴くことはとっても勉強になるのですが、すごい演奏すぎてセッションに役立つ知識を得られないことがあります。
今回はセッションでよく演奏する曲のおすすめCDや音源を紹介します。この記事を読めばセッションで役立つ音源が分かりますよ。
- セッションでよく演奏する曲
- 曲の解説とおすすめ音源
- イントロとエンディング
- セッションスタイルで配信「ライブ・フロム・エメット・プレイス」
- まとめ
セッションでよく演奏する曲
Credit:canva
セッションでよく演奏するものは下記に紹介します。ちーこが独断で選んだピアノでセッションに参加する時におすすめな音源も紹介します
メジャーの曲
- ALL THE THINGS YOU ARE(A♭メジャー)
- CONFIRMATION(Fメジャー)
- ON GREEN DOLPHIN STREET(E♭メジャー)
- THE DAY OF WINE AND ROSES(Fメジャー)
- SATIN DOLL(Cメジャー)
- STAR EYES(E♭メジャー)
- TAKE THE ”A” TRAIN(Cメジャー)
- ALL OF ME(Cメジャー)
- CANDY(B♭メジャー)
- MACK THE KNIFE(B♭メジャー)
- IT COULD HAPPEN TO YOU(E♭メジャー)
- THERE WILL NEVER BE ANOTHER YOU(E♭メジャー)
- BYE BYE BLACKBIRD(Fメジャー)
- HAVE YOU MET MISS JONES?(Fメジャー)
- I’LL CLOSE MY EYES(Fメジャー)
マイナーの曲
- SOFTLY,AS IN A MORNING SUNRISE(Cマイナー)
- AUTUMN LEAVES(Gマイナー)
- BEAUTIFUL LOVE(Dマイナー)
- SUMMER TIME(Aマイナー)
循環の曲
- OLEO(B♭メジャー)
ブルースの曲
- BILLIE’S BOUNCE(Fメジャー)
- STRAIGHT,NO CHASER(Fメジャー)
曲の解説とおすすめ音源
先ほどあげたセッションでよく演奏する曲の解説とおすすめ音源を紹介します
黒本付属CDもおすすめ
名盤からじっくりと練習するのがいいのですが、仕事や子育てやはり忙しい合間にジャズピアノを勉強するって大変なんです。一生かけてじっくち楽しく勉強する中で、セッションで楽しむのにおすすめなのはジャズ・スタンダード・ブック(通称:黒本)の付属CDを聴くことです。
初心者がセッションで演奏しない曲も収録されていますが、イントロやエンディングなども分かりやすいです。コンピングの仕方のコツをつかむのにもおすすめです。
初心者の教本の付属CDってたくさんありますが、特にコンピングの仕方などを習得するにはベスト。イントロやエンディングも分かりやすいのでコンピングをコピーするだけでもすごく勉強になりますよ
収録曲
20曲のイントロ~テーマ~エンディングとマイナスワンが収録されています。
- ALL BLUES
- ALL THE THINGS YOU ARE
- AUTUMN LEAVES
- BILLIE’S BOUNCE
- BODY AND SOUL
- CANTALOUPE ISLAND
- CARAVAN
- THE CHICKEN
- CONFIRMATION
- THE DAY OF WINE AND ROSES
- GIRL FROM IPANEMA
- IMPRESSION
- A NIGHT IN TUNISIA
- OLEO
- ON GREEN DOLPHIN STREET
- SANBA DE ORFEU
- SOMEDAY MY PRINCE WILL COME
- SPAIN
- SUMMER TIME
- WAVE
ALL THE THINGS YOU ARE
楽曲はAABA形式で、32小節の構成。
キーがFマイナー(Fm)で序盤、途中でCメジャー(C)やE♭メジャー(E♭)などに転調が頻繁に起こる点が特徴です。
非常に鮮明に洗練されたメロディが特徴で、ジャズミュージシャンに人気があります。特に、各セクションで短三度ずつ転調するようなコード進行(サイクル)が多くのミュージシャンを惹きつけます
オリジナルのテンポはミディアムスローですが、ジャズのセッションでは速いテンポで演奏されることも多いです。
おすすめ音源
ピアノソロやちょっと癖がある演奏が多いのでセッションで役立ちそうな音源が見つかりにくいのですが、チャーリーパーカーの『チャーリー・パーカー・オン・ダイアル』はイントロもセッションでよくやるタイプなので参考になります。スローテンポなので初心者にもおすすめ。
CONFIRMATION
「コンファメーション」(コンファメーション)は、ジャズのスタンダードナンバーの一つで、サックス奏者のチャーリー・パーカー(Charlie Parker)によって作曲されました。ビバップの代表的な楽曲として知られ、技術的な難しさが高いことでも有名です。 パーカーの作曲スタイルを象徴するような複雑な音使いとスイング感を持っています。 ビバップ特有の速いテンポとリズム的な変化が特徴で、演奏者には高度な技術が求められます。
おすすめ音源
デクスター・ゴードン『ダディー・プレイズ・ザ・ホーン』の中に収録されている音源がおすすめ。ミディアムテンポなので初めてセッションで「コンファメーション」を演奏する前にしっかり聴いておくといいです。ピアニストであるケニー・ドリューのソロも聞き取りやすく、セッションでよく演奏するイントロもコピーして練習しておくとセッションの時にうまくいきます。
ON GREEN DOLPHIN STREET
初心者が集まってセッションしたらほぼうまくいかない曲です。AセクションからBセクションのラテンと4ビートの切り替えのタイミング。ソロが終わる時にCセクションが12小節に伸びるのですが、バンド全体で次のソロへ行くタイミングをつかむのが難しいのが理由です。
おすすめ音源
4ビートで演奏されている音源が多く、過去の名盤からラテンと4ビートを切り替えしている分かりやすい音源を見つけられませんでした。
エーメット・コーエンさんの配信されている動画が切り替えが分かりやすいかなと思ったので紹介しますね。
マイルス・デイビスの『1958 Miles』の中に収録されているものが、おすすめ。みんながよく聴いている可能性が高いのが一番の理由。また全体的にゆったりと静かなムードで、ABCのセクションもリズムの切り替えがなく4ビートで演奏されていてややこしくないので、このイメージでセッションしたいと伝えるとうまく演奏できる可能性が高いです。
SATIN DOLL
1953年にデューク・エリントンによって作曲されました。当初はインストゥルメンタル曲として演奏されていましたが、後にジョニー・マーサーが歌詞を加えました。タイトルの「サテンドール」は、「上品で洗練された女性」を意味します。様々なミュージシャンによってカバーされ、ジャズのスタンダード・ナンバーとして定着しました。
おすすめ音源
マッコイ・タイナーの『バラードとブルースの夜』(1963年)。ジャズのスタンダードやブルースに基づいた曲が中心。
演奏メンバー:マッコイ・タイナー (ピアノ)、スティーヴ・デイヴィス (ベース)、レックス・ハンフリーズ (ドラム)
ジョン・コルトレーンの黄金のカルテットと呼ばれる次期に活動していた複雑なハーモニーやエネルギッシュな演奏とは異なり、シンプルでジャズ初心者でも聞きやすいアルバムです。
STAR EYES
「Star Eyes」は、アメリカの作曲家であるジーン・デ・ポール(1919年 – 1988年)によって作られました。
代表作には、「Star Eyes」の他に、「I’ll Remember April」や「Teach Me To」などがあります。
キャッチーで美しいメロディーラインを作る才能に長けており、ジャズミュージシャンにとって演奏しやすい楽曲が多いことで知られています。
おすすめ音源
スウィングの4ビートで演奏されているものがほとんどで、ラテンとの切り替えしている音源が少ないです。バリーハリスの『アット・ザ・ワークショップ+3』のアルバムに収録されているのはテーマの部分のみAとBセクションでリズムが切り替わっているので参考にしてみてくださいね。
TAKE THE ”A” TRAIN
デューク・エリントン楽団(Duke Ellington Orchestra)の代表曲で、ジャズ史における名曲の一つです。この曲は、1941年ニビリー・ストレイホーン(Billy Strayhorn)によって作曲され、デューク・エリントンの楽団で初演されました。 作曲者 ビリー・ストレイホーンは、エリントン楽団のアレンジャー兼作曲家として長年活動しました。
とっても有名な曲ですが、セッションで演奏するよりビッグバンドで演奏することが多いです。
おすすめ音源
デューク・エリントンの『ザ・ポピュラー・デューク・エリントン』。デューク・エリントンが弾き倒した途中からビッグバンドが入ります。ビッグ・バンドに負けないエネルギッシュなデューク・エリントンの演奏は必聴!
SOFTLY,AS IN A MORNING SUNRISE
シグムンド・ロンバーグ(Sigmund Romberg)が作曲し、オスカー・ハマースタイン2世(Oscar Hammerstein II)が作詞したオペレッタ『ニュー・ムーン』の劇中歌。 多くのジャズ・ミュージシャンによって選ばれ、ジャズ・スタンダードとして広く知られるようになりました。実は歌詞は全くさわやかなものではなく、女性が浮気をするような内容です。
おすすめ音源
コルトレーンの『ライヴ・アット・ザ・ヴィレッジ・ヴァンガード』。初心者がジャズセッションで役立つという音源ではないのですが、黄金期のカルテットと呼ばれる時期のコルトレーンのバンドの演奏はエネルギッシュ。
とにかくマッコイ・タイナーのピアノがかっこいいのと終盤にコルトレーンが入ってくるときは何度聴いても鳥肌が立つくらいかっこいい♪
ウィントン・ケリーやソニー・クラークの演奏もおすすめ!
単調なソロになりがちな曲ですが、エーメット・コーエンの演奏はソロの展開が素晴らしい。セッションでのソロの回し方の参考にもなるので是非チェックしてみてくださいね
AUTUMN LEAVES
ジャズやポピュラー音楽の世界で非常に重要な位置を占めるスタンダード曲です。元々はフランスのシャンソンとして作られたこの曲は、後に英語版が制作されました。フランス版の原題は「Les Feuilles」 Mortes(枯れ葉)』で、1945年にフランスの作曲家ジョゼフ・マコス(Joseph Kosma)が作曲し、詩人ジャック・プレヴェール(Jacques Prévert)が作詞を担当しました。 フランスの叙情詩と哀愁漂うメロディーで大きな感動アメリカでも広く知られるようになりました。
おすすめ音源
『サムシン・エルス』は有名すぎますが、ハンク・ジョーンズのコピーしやすそうで実は難しいソロがかっこいいので聞き返してみてください。
ライブ配信シリーズ「ライブ・フロム・エメット・プレイス」
BEAUTIFUL LOVE
日本のセッションではピアニストがトリオで弾いているイメージがありますが、外国のセッションではあまり演奏されない曲だそうです。
おすすめ音源
小曽根真さんの『スプリング・イズ・ヒア』に収録されているものがおすすめ。「BEAUTIFUL LOVE」は日本のセッションでさらにピアノトリオで演奏されることが多いと思うでこちらをチョイスしました。難しそうだけどコピーしやすいソロなので是非耳コピーにも挑戦してみてくださいね。
SUMMER TIME
1935年にジョージ・ガーシュウィン(George Gershwin)が作曲した楽曲で、アメリカのクラシック音楽とジャズの世界で非常に重要な位置を占めている作品です。アメリカ南部の黒人コミュニティを舞台に、貧困や愛、希望を描いたオペラ「 ポーギーとベス(ポーギーとベス)」で、「サマータイム」は子守唄として登場します。
おすすめ音源
おどろおどろしい感じからさわやかなものまでいろいろあるのですが、セッションで役立ちそうな音源までさまざまです。
セッションで役立ちそうなのはソニー・クリスの『ゴー・マン!』に収録されているもの。ピアニストソニー・クラークのコンピングもかっこいいですよ。
IT COULD HAPPEN TO YOU
ジャズのスタンダード曲の一つで、多くのジャズミュージシャンや歌手によって演奏され続けています。この曲は、1944年にハロルド・アーレン(Harold Arlen)が作曲し、ジョニー・バーク(Johnny Burke)が作詞したものです。元々は映画「And the Angels Sing」に書かれた楽曲。
セカンダリードミナントとモーダルインターチェンジを用いたコード進行が特徴。この曲が演奏できればジャズスタンダードの多くの曲をマスターできます。
おすすめ音源
チャールス・マクファーソンの『Beautiful!』。ソロが長くて飽きてしまうことも多いのですが、1人ずつのソロも短くて聴きやすい。ピアニストデュークジョーダンのソロもシンプルながらキラキラしていてちーこは好きです。
THERE WILL NEVER BE ANOTHER YOU
1942年にハリー・ウォーレン(Harry Warren)が作曲し、マック・ゴードン(Mack Gordon)が作詞を作りました。元々は映画「アイスランド」のために作られ、映画内ではジョアン・メリル(Joan Merrill)が歌っています。Ⅱ Ⅴ の進行が多用されており、初心者がアドリブを勉強するにはおすすめな曲です。
バラードからミデアム、アップテンポまで幅広いアプローチの曲でヴォーカルのアプローチはバラード寄り、インストはテンポ早目を好む傾向があります。
おすすめ音源
音源はたくさんありますが、セッションではサックスなど管楽器がテーマを演奏することが多いので、ソニー・スティットの『Stitt’s Bits』。
ギターとともに奏でるハンク・ジョーンズのコンピングも丁寧でとっても勉強になります。
BYE BYE BLACKBIRD
1926年にレイ・ヘンダーソン(Ray Henderson)が作曲し、モーティ・ディクソン(Mort Dixon)が作詞を担当した楽曲です。1926年に発表されるとすぐに大ヒットし、ポピュラー音楽として広く認知されました。 特にアル・ジョルソン(Al Jolson)など当時の大物による歌手録音が人気を集めました。 明るいメロディーとシンプルな歌詞で、世代を超えて多くの人々に愛されています。
おすすめ音源
マイルス・デイビスの『アラウンド・ザ・ミッドナイト』に収録されているのがおすすめ。レッド・ガーランドの丁寧なコンピングもいい感じです。
この音源を完全コピーした本『完全コピージャズスコアvol.2』もあります。なかなか出回ってなさそうなのでメルカリなどで見つけたらラッキーですよ!
HAVE YOU MET MISS JONES?
1937年のミュージカル「I’d Bother Be Right」のために作られた楽曲で、リチャード・ロジャース(Richard Rodgers)が作曲し、ロレンツ・ハート(Lorenz Hart)が作詞を担当しました。この楽曲は後にジャズ・スタンダードとして広く演奏されるようになり、そのユニークなハーモニーとキャッチーなメロディーで多くのジャズミュージシャンに愛されています。「I’d Bother Be Right」は、政治を風刺したアメリカミュージカルで、「Have You Met Miss Jones?」はその中のラブソングとして登場します歌詞は、恋に落ちる予感を描いたもので、軽やかで楽しい雰囲気が特徴です。
おすすめ音源
ケニー・ギャレットの『イントロダクション・ケニー・ギャレット』の中に収録されているものが、テンポも4ビートの感じもセッションで演奏するイメージに近いのでおすすめ。
ピアノとのデュオですが、フィル・ウッズの『ELSA』に収録されているものもおすすめ。デュオならメンバーが集まらない時でもセッションできるので、挑戦するためにも聴いてみてくださいね。
実は合わせる人数が少ないのでデュオの方が演奏しやすかったりしますよ。
I’LL CLOSE MY EYES
1930年代から1940年代で活躍したイギリスの作曲家ビリー・リード(Billy Reid)によって作曲された楽曲で、アメリカを中心にジャズ・スタンダードとして知られています。ビリー・リードは、イギリス出身の作曲家で、主にポピュラーソングやダンスバンド用の楽曲を原案していました。「I’ll Close My Eyes」は、彼の代表作の一つで、彼が1950年代に書いた楽曲です。この曲は、甘くないラブソングとして、特にバラードの敗北で演奏されることが多いです。
おすすめ音源
ブルー・ミッチェルの『ブルーズ・ムーズ』に収録されているものは、みんなよく聴いているので共通認識として聴いておきましょう。
ウィントン・ケリーのあおり気味のコンピングも是非お手本にしてみてくださいね。
イントロとエンディング
イントロとエンディングもセッションでなるべくよくされるものを選んだのですが、難しいイントロやエンディングになっている場合もあります。
イントロやエンディングに悩んだらこちらの記事でチェックしてみてくださいね
セッションスタイルで配信「ライブ・フロム・エメット・プレイス」
Credit:canva
ちーこがはまってよく見ているのがピアニスト:エーメット・コーエンの自宅リビングルームを舞台にしたこのライブ配信シリーズ「ライブ・フロム・エメット・プレイス」。
現代のトップジャズミュージシャンが多数参加しているクオリティの高い演奏を、カジュアルな雰囲気で楽しめます。
サックス奏者のパトリック・バートレー(Patrick Bartley)や、トランペット奏者のブルース・ハリス(Bruce Harris)、さらにはボーカリストやパーカッショニストなど、多彩なゲストが登場します。
とにかくみんな楽しそうでこちらまで笑顔になってきます。音楽を演奏するってこうでなくちゃと深~いところで感じられます。
まとめ
今回はジャズセッションでよく演奏される曲でセッションに役立ちそうなおすすめ音源を紹介しました。もちろん自分で見つけるのが一番なのですが、情報も多く名盤と呼ばれるものを聴いても初心者のうちは良さが分かりません。
今回紹介した音源を聴きながら、ちょっとずつ聴く音源を増やしてみてくださいね。
最後までごらんいただきありがとうございました。
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