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ジャズのリック(フレーズ)は本当に覚える必要があるの?アドリブが楽しくなる理由

アドリブ

「アドリブが思い浮かばない…」

ジャズを始めたばかりの頃、多くの人が最初にぶつかる壁ではないでしょうか。

私も「どうすれば自由にアドリブができるんだろう」と考えた時期がありました。

そんな時に大切だと感じたのが、リック(Lick)と呼ばれる短いフレーズです。

「リックなんて丸暗記して意味があるの?」
「自分らしい演奏ができなくなるんじゃない?」

そう思う方もいるかもしれません。

でも私は、リックはアドリブを縛るものではなく、自由になるための言葉だと思っています。


リックとは、ジャズの「言葉」

ジャズでよく使われる**リック(Lick)**とは、短いお決まりのフレーズのことです。

私たちは普段、

「おはようございます。」
「ありがとうございます。」
「お疲れさまです。」

という言葉を、一文字ずつ考えて話しているわけではありません。

自然と口から出てきますよね。

ジャズのアドリブも同じです。

毎回ゼロから音を考えて演奏するのではなく、先人たちが生み出した美しいフレーズを覚え、それらを会話のようにつなぎながら、自分らしい演奏を作っていきます。

つまりリックは、ジャズを話すための語彙なのです。

私は最初からアドリブができた…でも、それだけでは足りませんでした

私は学生の頃からJ-POPを耳コピーしたり、音楽理論を勉強したり、作曲をして遊んでいました。

そのおかげで、ジャズセッションへ行っても、わりとすぐにアドリブらしきものは弾けました。

もちろん「弾けた」といっても、コードから大きく外れない程度に何となく音を並べていただけです。

以前、「まるで言語障害みたいなアドリブだね」と言われたことがあります。

当時は少しショックでしたが、今思えばその表現は的を射ていたのかもしれません。

言いたいことはある。
でも、言葉を知らない。
だから、たどたどしい会話になってしまう。

それは音楽でも同じでした。

アドリブが思い浮かばない人ほど、リックを覚えてみてください

「何を弾けばいいか全く分からない。」

そんな人には、まずリックを覚えることをおすすめします。

リックは、初心者のためだけのものではありません。

実は私のように最初から何となくアドリブができてしまう人ほど、リックを学ぶことで演奏が大きく変わります。

なぜなら、自己流だけでは知らない表現がたくさんあるからです。

短くても洗練されたフレーズ。
美しく解決する音の流れ。
思わず「おしゃれ!」と感じるような言い回し。

そんな言葉を知ることで、自分の音楽の世界は一気に広がります。

ジャズセッションは「自分を見せる場所」ではなく「会話を楽しむ場所」

私は長い間、大きな勘違いをしていました。

アドリブは、自分が主役になる時間。
だから周りのことは気にせず、自分の好きなように演奏すればいい。

そんなふうに思っていたのです。

でも、先生に教えてもらったり、上手くいかずに挫折したりしながらやっと深いところで理解できました。

ジャズセッションは、自分だけが楽しむ時間ではありません。

みんなで音楽という会話を楽しむ時間なのです。

誰かが話し始めたら、周りは耳を傾けます。

良いタイミングで相槌を打ち、時には盛り上げ、時にはそっと支える。

会話が楽しいのは、一人で話しているからではなく、お互いを思いやっているからです。

ジャズセッションも、それとまったく同じでした。

このことに気付くまで、私は本当に長い時間がかかりました。

ジャズは「思いやり」の音楽

私は今、ジャズとは思いやりの音楽だと思っています。

相手の演奏をよく聴くこと。

気持ちよくバトンを渡すこと。

そして、自分の番では相手が受け取りやすい言葉で話すこと。

リックを覚えることは、単にフレーズを増やすことではありません。

みんなが気持ちよく会話できるようになるための準備でもあるのです。

リックをたくさん覚えると、自分らしいアドリブが生まれる

最初は先人たちのフレーズをそのまま真似して構いません。

むしろ、その方が近道です。

何度も弾いて指が自然に動くようになると、不思議なことが起こります。

「この最後だけ変えてみようかな。」

「ここを伸ばしたらどうだろう。」

そんなアイデアが自然と浮かぶようになります。

言葉を覚えた子どもが、自分なりの表現を始めるのと同じです。

基本を知っているからこそ、そこから自由に発展できる。

リックは、あなたらしいアドリブへの第一歩なのです。

リックを学ぶなら、この一冊がおすすめ

好きなジャズミュージシャンの演奏をコピーして、お気に入りのフレーズを集めていくのが理想です。

ただ、「何からコピーすればいいか分からない」という方も多いでしょう。

そんな方におすすめしたいのが、菅野義孝さんの『目からウロコのジャズ・アドリブ・マスター術』です。

この本では、リックを覚えるだけでなく、

  • リックをどのように使うのか
  • どうアレンジして自分のものにするのか
  • どのように発展させていくのか

という流れまで、とても分かりやすく解説されています。

「リックを覚えて終わり」ではなく、「自分だけのアドリブにつなげる方法」を学べる一冊です。

まとめ|リックはあなたの音楽を自由にしてくれる

リックは、自由を奪うものではありません。

自由に話すための言葉です。

ジャズは、一人で目立つための音楽ではなく、みんなで会話を楽しむ音楽。

だからこそ、たくさんの言葉を知るほど、音楽はもっと楽しく、もっと優しくなります。

焦らなくて大丈夫です。

お気に入りのリックを一つ覚えることから始めてみませんか。

その小さな一歩が、きっとあなたらしいアドリブへの第一歩になります。

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